ARTICLE [ 人と仕事を知る ]

CROSSTALK若手支配人対談

変革を楽しむ若手支配人たちが語る、それぞれの「マネジメント論」

[introduction]

東急リゾーツ&ステイでは、入社10年未満・30歳前後でホテルの支配人を務めている社員も少なくありません。今回は“ほぼ同期”であり、現在はそれぞれ別拠点で活躍する若手支配人二人に話を聞きました。性格も価値観も違う二人が見つけた自分らしいマネジメント。そのリアルな言葉をお届けします。

[member]

  • 大谷 歌南

    • 東急ステイ四谷 支配人

    2017年新卒入社。大学時代は観光経営学を専攻し、観光産業やホスピタリティ・マーケティングを学ぶ。東急ステイ渋谷のフロントスタッフからキャリアをスタートし、同ホテルのフロントチーフ時代に札幌地域系列ホテルへの運営モデル周知を担当。2023年に東急ステイ四谷へ異動。2025年4月より同ホテルの支配人を務める。

  • 中村 凌

    • 東急ステイメルキュール大阪なんば 支配人

    2016年キャリア入社。東急ステイ渋谷のフロントスタッフからキャリアをスタートし、同ホテルのフロントチーフ、宿泊副支配人を経験。2021年10月に本社へ異動し、東急ステイメルキュール大阪なんばの開業準備業務に従事。2022年12月、同ホテル開業と同時に副支配人に着任し、2024年4月より支配人を務める。

それぞれ大きく違った「支配人」というキャリアへの想い

お二人はそれぞれ別の東急ステイの支配人を務められていますが、以前は一緒に働かれていたそうですね?

中村

はい。二人とも初任地が東急ステイ渋谷で、4〜5年ほど一緒でした。私は中途入社で大谷さんは新卒入社ですが、ほとんど同期のような関係性です。

大谷

今でも支配人会議などで話すことはありますが、直接会うのは久しぶりですよね!

中村

大谷さんの東急ステイ四谷に訪問できるということで、インタビューが始まる前に館内やエレベーター内の掲示物の貼り方などをチェックしていました。私も支配人なので、どうしても細かいところが気になってしまうんです(笑)。

大谷

まさかそんなところを見られていたとは(笑)。

中村さんは入社から8年、大谷さんは入社から9年で支配人になられていますが、いつ頃から「支配人になりたい」と考えていましたか?

中村

私は入社当初から支配人になりたいと思っていました。22歳で入社した時点で「25歳でチーフ、28歳で副支配人、さらにその4年後くらいに支配人」と考えていたので、ほとんどイメージ通りにキャリアを歩んでくることができました。

大谷

私は中村さんとは正反対で、流れに身を任せるタイプ(笑)。人の上に立ちたいとも思わなかったので、「このまま接客の仕事を続けたい」としか考えていませんでした。ただ、フロントチーフ時代に上司から「これから先のキャリアはどうしたい?」「支配人になる気はある?」と何度か話をされていたので、それから少しずつ意識するようになりました。

中村

一緒に働いていた当時から考えると、大谷さんが支配人になる未来は想像できませんでした。「支配人になる器がない」ということではなく、リーダーをサポートするのが上手なフォロワータイプの人でしたからね。

大谷さんが「支配人をやってみよう」と決心を固めたきっかけや理由について教えてください。

大谷

私が見てきた支配人は、中村さんのように自分の意見を持って周囲をけん引するリーダータイプばかりだったので、「私のような性格の人間に務まるのかな……」という不安はずっとありました。ただ、上司からは「グイグイ引っ張っていくやり方じゃなくてもいい。大谷さんの長所を活かしたリーダーシップを取ってみなよ」と言ってもらえたことで気が楽になり、「試しに挑戦してみよう」と思えるようになりました。そのときの言葉は、支配人になった今でも心の支えになっています。

スタッフとの距離の取り方は正反対。その人らしいリーダーシップを発揮できる環境

ご自身が支配人になってみて「意外だった」と感じたことはありますか?

中村

ホテル運営において、会議や資料作成がこれほど多岐にわたるとは想像以上でした。行政への許認可申請や人事書類、売り上げ資料の作成など、現場からは見えにくい細かな実務が経営の土台を支えているのだと実感しています。

大谷

私は旗振り役になるタイプではないので、ホテルやサービスをどうしていくかは周りのスタッフと相談しながら決めています。その意味では、思ったよりも「自分なりのスタイル」で進めていける仕事だと感じました。

お二人は若くして支配人になられていますが、スタッフとの距離感やリーダーシップの取り方で意識していることはありますか?

大谷

私より年上も年下もいますが、年齢などはあまり気にせず、距離感が遠くなりすぎないよう、できるだけ密にコミュニケーションを取るよう意識していますね。そのほうが意見や本音も聞き出しやすいので。

中村

私は大谷さんとは真逆ですね。メルキュール大阪なんばは平均年齢が30歳程度の非常に若いチームなので、あえて一線を引くようにしています。東急ステイ渋谷時代とまったく違うので、当時の私を知る人からすると人が変わったと思われるかもしれません(笑)。

大谷

確かにそうですよね。あの頃の中村さんは、みんなとワイワイやっているイメージが強かったです。

中村

ホテルの規模やスタッフの年齢層、支配人の考え方によってさまざまなリーダーシップがあり得るので、大谷さんのやり方も正解の一つだと思います。ただ、「スタッフと距離をおいているから意見が聞けなくなる」ということはないかなと。メルキュール大阪では、一般のスタッフはリーダーに相談し、リーダーたちは私のところに相談に来るという組織の作り方をしています。

国籍も含めて多様なバックグラウンドのスタッフが在籍していると思いますが、コミュニケーションやマネジメントで気をつけていることはありますか?

中村

スタッフへの指示が曖昧だと、スタッフの中で「何でそうなるんだろう」という不満が溜まり続けてしまいます。私はスタッフに納得した上で仕事をしてほしいと思っているので、どんなことに対してもロジカルに説明することを意識しています。逆に、スタッフからの提案についても論理的に説明してもらえなければ、基本的にはGOを出しません。

大谷

「社会人として、どのような経験を積んできたのか」「どのような価値観を大切にしているのか」は、スタッフそれぞれに違います。私にとっての当たり前が相手にとっての当たり前でないこともあるので、まずは相手の意見を聞いた上でこちらの意図を伝え、指示を出すように心がけています。

“数字”と“人”。その両方に向き合う支配人ならではのやりがい

東急ステイ四谷『縁日イベント』
東急ステイメルキュール大阪なんば 『開業3周年パーティ』

ホテルごとに趣向をこらしたイベントも支配人の仕事の一つだと思いますが、お二人はどのように企画を立てていますか?

中村

メルキュール大阪なんばでは、夏にホテル前のスペースを利用して射的や人形すくいの屋台を出したり、レストランをミニ映画館にしてお客さまに提供したりするなど、さまざまな企画でお客さまに楽しんでいただいています。ただ、それらはすべてスタッフたちがアイデアを出し合って作っています。私が企画したものをトップダウンでやらせてもスタッフたちはつまらないと感じるはずですし、スタッフたち自身が「楽しい!」「面白い!」と感じられる企画にトライしてもらいたいと思っているので、このようなスタイルを採用しています。

大谷

スタッフが乗り気じゃないと、お客さまにも必ず伝わってしまいますよね。東急ステイ四谷でも、以前は私自身が企画・運営全般を取り仕切っていましたが、いまはイベントの企画はみんなに任せています。

改めてお聞きします。お二人は、どのようなときに支配人としての仕事のやりがいを感じますか?

中村

私は接客が好きだったのでホテル業界に入りましたが、支配人になると直接お客さまと向き合う機会は減ります。ただし、売上予算を達成したときの嬉しさやスタッフの成長を実感したときの喜びは、支配人だからこそ得られる仕事のやりがいだと思っています。

大谷

予算達成はもちろんやりがいの一つではありますが、私はスタッフの成長に、よりやりがいを感じます。スタッフが私の意図や方針を理解して行動に移してくれたときは嬉しいですし、お客さまからスタッフの接客や工夫を褒めていただけたときは自分のことのように誇らしくなります。

中村さんが売上達成のために心掛けていることがあれば教えてください。

中村

メルキュール大阪なんばは、東急ステイの中でも最大の客室数を誇るホテルであり、もっとも高い売上予算が設定されています。この数字にコミットし続けるためには、支配人の私だけが頑張っても上手くいきません。大切なのは、全員が同じ目標に向かうこと 。「常に『ステイブランド』内 で一番の売上を上げ続けよう」とスタッフにも常々話していますし、実際に開業以降はトップセールスを維持しています。一見すると厳しく見えるかもしれませんが、結果が出ているからこそ、現場の裁量も広がり、自由にチャレンジしやすい環境が生まれます。自然と職場の雰囲気も良くなるのです。

大谷さんはスタッフとの交流で印象深いエピソードはありますか?

大谷

業務の習得に時間がかかる、少しスローペースなスタッフがいました。その子に、イベントの企画・運営を任せてみたんです。すると、みんなの意見を丁寧にまとめながら中心となって動き、それまでの彼女からは想像できないほど頼もしい姿を見せてくれました。彼女が諸事情で退職することになったとき、「大谷支配人だったから、ここまで頑張ってこれたんです」と言ってくれて。胸がいっぱいになりました。支配人という仕事を続けてきて、本当によかったと思えた瞬間でした。

最後に、お二人の今後の目標を聞かせてください。

中村

現在は一店舗の支配人ですが、将来的には複数店舗を統括するエリアの責任者を目指しています。メルキュール大阪なんばで培った「勝ち続ける組織づくり」を、次はエリア全体へ広げていきたいと思っています。

大谷

私は流れに身を任せるタイプなので(笑)、「今」も大事にしています。支配人を拝命し、ようやく1年になりますが、お客さまと接したり、スタッフのみんなと働いたりする時間が何よりも一番楽しいと感じているので、しばらくは現場を離れることなく支配人をやっていきたいと思っています。

当記事の情報は取材時のものです

とじる
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